第7節 - 燕青

第12巻 第3章 第7節
月下の荒野、意志を背負う脱出行

この節の概要

燕青は盧俊義を救い出すため、北京大名府の軍営への潜入を決行する。王英率いる飛竜軍が城内に火を放ち攪乱する中、燕青はかつての記憶を頼りに重営倉へと突き進む。地下牢で執拗な尋問を続けていた沈機を討ち、衰弱しきった盧俊義を担ぎ出す燕青。王英たちの決死の援護により城壁を越えて脱出するが、盧俊義は極限まで消耗しており、燕青は主君の気力を繋ぎ止めながら荒野を走り続ける。

主要人物

燕青(えんせい)

  • 綽名:浪子(ろうし)
  • 所属:その他(盧俊義配下)
  • 初登場:第1巻 第2章 第1節
  • 幼少期に盧俊義に拾われ実の息子のように育てられた忠臣。武術・体術・変装など多彩な才を持ち、主君に絶対的な忠誠と情愛を抱く。主君の危機に際しては凄まじい執念と爆発的な武勇を発揮する。

王英(おうえい)

  • 綽名:短脚虎(たんきゃくこ)
  • 所属:梁山泊
  • 初登場:第2巻 第2章 第4節
  • 潜入・攪乱専門の飛竜軍を率いる豪傑。わずか十名の部下とともに北京大名府への大胆な陽動作戦を展開し、仲間を逃がすために自ら盾となる侠気を持つ。

盧俊義(ろしゅんぎ)

  • 綽名:玉麒麟(ぎょくきりん)
  • 所属:その他(梁山泊協力者)
  • 初登場:第6巻 第3章 第4節
  • 北京大名府きっての富豪。沈機による絶望的な拷問に晒され心身ともに極限まで衰弱しているが、組織の秘密を守り次代へ繋ごうとする凄まじい精神力は衰えていない。

沈機(しんき)

  • 綽名:なし
  • 所属:官軍(青蓮寺)
  • 初登場:第11巻 第1章 第5節
  • 李富に忠誠を誓う凄腕の工作員。地下牢で盧俊義の精神を破壊するための執拗な拷問を繰り返していたが、燕青の電撃的な侵入により討たれる。

登場人物の関係

graph LR
    燕青 ---|義父子| 盧俊義
    王英 -->|後援| 燕青
    王英 ---|盟友| 盧俊義
    沈機 -->|監視| 盧俊義
    燕青 -->|敵対| 沈機

地名・拠点

名称種類説明
北京大名府軍営(ほけいだめいふぐんえい)拠点盧俊義が幽閉されていた官軍の本拠地。地下に重営倉を擁する。燕青と飛竜軍が潜入・攪乱作戦を展開した舞台。

用語リスト

用語読み説明
飛竜軍ひりゅうぐん梁山泊の潜入・工作・攪乱を専門とする部隊。王英が率いる。
闇塩の道やみしおのみち梁山泊の資金源である塩の密売ルート。盧俊義がその全容を把握している。
重営倉じゅうえいそう軍施設内の特に厳重な牢獄。

歴史・文化背景

北宋の「四京」の一つである北京大名府は極めて強固な防衛網を誇っていたが、城内の妓楼や宿屋を通じた密かなネットワークが官軍の盲点となることがあった。また、商人が軍に物資を寄贈することで内部構造を把握するという、経済力を利用した諜報工作のリアリティが示されている。

→ 次の節(第12巻 第4章 第1節)

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