第4節 - 孔亮

第17巻 第5章 第4節
潜入の影、北京大名府の街角

この節の概要

高廉軍との激戦を終えた梁山泊では、飛竜軍と致死軍が統合され、負傷した公孫勝に代わって孔亮らが任務を継続することとなる。今回の「闇塩の道」の漏洩について、燕青は自身の不手際が原因であると責任を感じており、青蓮寺とは異なる第三の勢力が関与している可能性を疑う。孔亮は燕青の指示を受け、北京大名府に潜入して軍師・聞煥章の周辺を探るため、振り売り(菓子売り)に変装して隠密活動を開始する。潜伏調査の末、孔亮は聞煥章の屋敷に自然に出入りする「呂牛」という不審な男を特定し、その尾行を試みる。しかし、郊外へと誘い出された孔亮を待ち受けていたのは、聞煥章の護衛・文立と高廉軍の残党による巧妙な伏兵であった。

主要人物

孔亮(こうりょう)

  • 綽名:地狂星
  • 所属・役割:梁山泊(致死軍)・潜入調査、工作員
  • 初登場:第2巻 第5章 第1節

元は青州軍の将校で、兄の孔明と共に梁山泊に加わった。公孫勝に「汚い闘い方」の才能を見出され、現在は致死軍の主力として活動している。燕青と共に、闇塩の道をあばいた真犯人を突き止めるべく、変装して北京大名府へ潜り込む。

燕青(えんせい)

  • 綽名:浪子
  • 所属・役割:梁山泊・情報工作、特殊工作
  • 初登場:第1巻 第2章 第1節

盧俊義の側近であり、情報収集と組織運営に長けている。自らの判断で馬群を通過させたことが塩の道の露見に繋がったと悔いており、事態の収拾に奔走する。孔亮を信頼し、共に北京大名府での調査を進める。

文立(ぶんりゅう)

  • 所属・役割:官軍(北京大名府)・聞煥章の護衛
  • 初登場:第15巻 第2章 第5節

軍師・聞煥章の側近であり、極めて高い剣技を持つ手練れ。高廉軍の残党を指揮して孔亮を包囲し、致死軍を「甘い」と断じる冷徹な武人である。

呂牛(ろぎゅう)

  • 所属・役割:その他(聞煥章の協力者)・工作員、拷問官
  • 初登場:第7巻 第4章 第5節

聞煥章の屋敷に自然に出入りするが、その挙動にはどこか不自然な落ち着きがある男。単なる武芸者ではなく、隠し持った短剣を投じるなど狡猾な戦い方を得意とする。

登場人物の関係

graph LR
    孔亮 ---|同志| 燕青
    孔亮 -->|敵対| 呂牛
    孔亮 -->|敵対| 文立
    文立 -->|主従| 聞煥章
    呂牛 -->|利用| 聞煥章
    燕青 -->|信頼| 孔亮
    燕青 -->|主従| 盧俊義

地名・拠点

地名種別解説
北京大名府(ほけいだいめいふ)都市官軍の北方の重要拠点。孔亮が潜入し、聞煥章の屋敷を見張る舞台となる
二竜山(にりゅうざん)山塞梁山泊の要塞。趙安軍による持久戦が展開されている

用語リスト

用語読み解説
振り売りふりうり籠をかけた棒を担ぎ、歩きながら商品を売る行商人。孔亮が潜入のために選んだ変装
闇塩の道やみのしおのみち梁山泊の経済を支える秘密の流通網。今回、何者かによってその一部があばかれた

歴史・文化背景

都市部における「振り売り」は、北宋時代の都市風俗として一般的であった。菓子や生活雑貨を売るこれらの行商人は、街のあらゆる場所に自然に溶け込むことができたため、史実や物語において間諜(スパイ)が変装する手段としてしばしば用いられる。

→ 次の節(第17巻 第6章 第1節)

💡 しおりをセットすると、登場人物ページやホバーポップアップのネタバレ表示が制御されます。読んだ範囲の情報のみが表示されます。